会長挨拶

一般社団法人日本PAS協会 会長       山﨑 誠司

 少子高齢化による人口減少が進行する日本社会の中で、私たちは大きな転換点に直面しています。そうした社会の変化の影響を特に受けやすいのは、日本の全企業数のうち99.7パーセントを占めると言われる中小企業です。その中でも従業員20人以下の小規模企業は、社会保険や福利厚生など労務コンプライアンスの厳密化・労働者不足・後継者問題などによって、抱える問題がより複雑化しています。

 医療の世界には「かかりつけ医」と「専門医」という考え方があります。「かかりつけ医」とは、病気や健康問題に関してなんでも相談でき、必要な時には専門の医療機関を紹介をしてくれる身近な存在の医師のこと。身体の不調を感じた時、最初から自分で専門医を探すよりも、まずかかりつけ医に相談して、そこから専門医へ紹介してもらうほうが、すぐに的確な医療施設へたどり着くことができます。

 こうした「かかりつけ医」と「専門医」の考え方は、会社の健康状態をメンテナンスしていく上でも重要です。会社を経営していく上では、弁護士・弁理士・公認会計士・税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士といった、いわいる「士業」と呼ばれる様々な専門家の助けが必要となりますが、トラブルが発生したり、リスクを回避したいときに、どの専門家に相談へ行くべきか判断に迷うことはないでしょうか。また、自己判断で、最初から「専門医」的な士業の方に相談に行き、なかなか問題が解決しなかったり、コストが余計にかかってしまったことはないでしょうか。

 大企業では、顧問弁護士や法務部が、それぞれの専門家に橋渡しをするハブになっています。しかし、小規模企業問題に関する「かかりつけ医」のような存在は、今まで存在していませんでした。私は、保険募集人として小規模企業の事業主さまとお付き合いする中で、小規模企業におけるあらゆる問題に対応し、的確な士業へと橋渡しを行うリスクマネジメントのエキスパートを養成することが急務であると感じました。また、その役割を担うのに最もふさわしいのが保険募集人やフィナンシャルプランナーであると確信したのです。

 そこで、小規模企業リスクマネジメントのエキスパートを養成・普及する機関として一般社団法人日本PAS協会を発足いたしました。そして、法務・財務・労務といった業務に関する相談窓口をワンストップで提供できるサービスを実現していくことが、日本を支える小規模企業の事業主さま・従業員さまの助けとなり、それがこれからの日本社会の改善に貢献することであると信じて活動しています。

世界の老舗の80%が日本に存在すると言われています。その多くは小規模企業です。しかし、日本の宝といっても過言ではない老舗の多くが、後継者問題によって消えかけています。このような問題にも、事業主さまのパートナーとなって当協会がサポートしていくことができたらと考えています。

小規模企業を元気にすること、社会に貢献する企業リスクマネジメントのエキスパートを養成することが私たちの使命です。

 関係各位には引き続きご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。